天下の台所より~からだに美味しい食材を求めて~

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大阪市(大阪府)
天下の台所より~からだに美味しい食材を求めて~

この記事の取材は、その時点の環境下で推奨されていた新型コロナウイルス感染症対策(マスク着用など)のもと実施しました。

からだに美味しい食材と言えば、たんぱく質があります。
ジムに通い続けてうん十年の私、筋肉育成中の旦那、部活&成長期真っ只中の子供。
我が家は、いつも身体がたんぱく質を求めております。I LOVE たんぱ~く質❤️
たんぱく質と言えば、お肉が思い浮かぶかも知れません。
しかし!!お魚も素晴らしいたんぱく質、栄養素を含んでいる食材です✨
今回は、師走の『天下の台所』大阪市中央卸売市場内の水産物市場より、からだに美味しい食材の情報をお届けしたいと思います。ちなみに、『天下の台所』とは江戸時代に物流、商業の中心地になったこの辺りを指す言葉です。

いざ、中央卸売市場へ

ただいまの時刻、AM3:30
おはようございますっ。朝はや記者、中村です。
卸売市場は、とにかく朝が早いです。
私が、取材に訪れた時間には、すでに忙しそうに作業をされていました。
ものの見事に、お魚をさばかれていました。
マグロの解体ショーもされている大ベテランの職人さん。
本日お世話になります、仲卸業者の『利州株式会社』さんです。
向かって右側が、卸売業者『株式会社うおいち』の関水さんです。
毎日お魚を見ているのに、休日は釣りに行っちゃう、お魚大好きお兄さんです。
卸売業者は、深夜に全国から大型トラックなどで運ばれてきた魚を荷受けして、早朝の競りの取り仕切りを行います。
左側が、仲卸業者の『利州株式会社』上田社長。とっても温かい、おもしろい、おじちゃんです。
「ファンレター来たらどうしょ~」と心配してはりました(笑)
仲卸業者は、競り落としたお魚を、まちのスーパーや魚屋さん、お寿司屋さんなどの買出人へ販売します。

このように捕獲されたお魚は、新鮮なうちに取引されるため、卸売市場の朝はとっても早いのです✨

お魚天国は、たんぱく質天国

今回の取材の話をしていると、さっそく「珍しい魚が入ってるわ~」と
オオメメダイと言う魚。大目目鯛です。
「僕も、ほとんど見た事がないねん」と息子で副社長の上田さん。めったに流通しない白身魚で塩焼きがお薦めとのことでした。
白身魚は、速筋の魚です。普段は、じっとしていて、素早く動く。
肉質は低脂肪で高たんぱく質。そして、消化も良いのです。なんって素晴らしい✨
次に、シマアオダイ。こちらも珍しい白身魚です。
寒い季節、さらに脂も乗って、ますます美味しいそうです。
見てください!お腹から脂の塊が出てくる程、脂が乗っています。
煮ても、焼いても、お刺身でも美味しい、高級魚です。
白身魚と言えば、ヒラメですよね~。コラーゲンたっぷりのヒラメ。
コラーゲン✨もう考えるだけで、身体が欲しがります✨
また、免疫機能を調節するビタミンDも多く含まれていますよ。
今の季節、おなじみの寒ブリです。
こちらは、赤身魚、遅筋のお魚です。止まることなく、長距離を泳ぎ続ける回遊魚です。
赤身魚の脂は、主に血液サラサラでおなじみのEPAや頭の動きをよくするDHAで、とってもヘルシー。味も濃厚です。
お刺身、照り焼き、煮付け、美味しいですよね~!
タコです。
まだ生きていたので、墨まみれになっていました。
タコはたんぱく質の他にも、疲労回復の効果のあるタウリンが豊富に含まれています。
タコと言えば、、、言うまでも有りません、タコ焼きでしょう~。
昔、我が家にはタコ焼き器が3台ありました。タコ焼き器は大阪の家庭の必需品!
これ、何か分かりますか?
タコ用洗濯機だそうですよ。この機械に入れてグルグル回せばヌメリと墨が綺麗に落ちるそうです。
※もちろん洗剤は入れませんよ~っ。
「ネェちゃん、入ってみるかぁ?」
「これ以上綺麗になったら困りますからっ」さらりとかわしておきました。
海のミルク、牡蠣。
貝類は、たんぱく質の他にミネラルが豊富です。特に牡蠣には亜鉛が沢山含まれています。
亜鉛は、筋肉の合成に関わるホルモンの分泌を促進させる働きがあります。
筋肉さんの為にも、是非ともたんぱく質と一緒にとりたい!

競り場へ

AM4:00
お魚の話を聞いているうちに、競りの時間になりました。
まずは、マグロの競りが始まります。みなさん真剣に品定め。尾びれの切り口から肉質を確かめます。
また、遠洋漁業のマグロは、超低温マイナス60℃で運ばれて来るのでカチンコチンでした。

マグロも、赤身魚、遅筋のお魚です。
しかも!牛肉や豚肉より100gあたりのたんぱく質が多いんです✨
我が家が回転寿司に行く時は、マグロマグロマグロ。。。マグロのお皿がいっぱいです。
ひときわ目立つ大物マグロ。一体、なんぼの値が付いたんでしょうかねぇ¥¥¥
鐘の合図で競りが始まりました。
こちらの競りはオークション方式ではありません。
うおいちさん(卸業者)の合図とともに、仲卸業者が一斉に金額を示します。
一番高い金額を示した人が、その品物を買う事ができます。
だから競り落としまで数秒、金額を出すまでの一瞬の駆け引きが肝心です。
同じ金額の場合は、じゃんけんをします。じゃんけんしている姿がとても楽しそうに見えました。

 いんじゃんするんですね~。楽しそうですね~。
関水さん いんじゃん?
 あ、じゃんけんです。この辺りでは、じゃんけんの事を”いんじゃん”って言うんですよ。
関水さん そうなんですね。みなさん、じゃんけんする時は、勝った負けたで本当に楽しそうです。

笑いを大切にする大阪人だからでしょうか?和気あいあいとした競りのようでした。
そう話していると、新入社員の宮崎さんが来て下さいました。
若くて、お魚のようにピチピチの新入社員です。とっても美人さん✨

宮崎さん 今日は、お魚が少ないんですよ。
 少ない日も有るんですね。
宮崎さん そうなんです。満月だったんで、満潮で魚が獲れにくいんです。
 へぇ~、なんだか月の満ち欠けに関係するって、神秘的ですね。
宮崎さん さらに、今年はしけ(悪天候)が多くて全体的に漁獲量が少ないんです。
 魚離れで、お魚を食べる量もどんどん減ってきていますしね。
宮崎さん いえいえ、実は減っているのは日本だけなんですよ。日本食ブームや健康志向などで、世界的にお魚を食べる量は増えているんです。
 そうだったんですか。日本人も、もっとお魚を食べて欲しいですね。

お魚、こんなにも栄養豊富なのに。
そして、良質なたんぱく質豊富なのになぁ。

寒さと空腹と

『うおいち』のお二人と別れ、みなさんがよく利用すると言う『みよし食堂』へ。
寒波が来た今朝の気温は1度。
ガタガタと震えながらお店に入るなり、みよし食堂のお母さんは『寒いやろ、粕汁飲むぅ?』と声を掛けてくれました。
取材の前、せっかく魚市場へ来たんだから、お刺身食べて帰るぞっと意気込んでいたのに。
忘れてしまうくらいの寒波。
だから、お母さんの『粕汁飲むぅ?』の声、救われました。
粕汁と銀鱈の味噌漬け、卵焼きと白ご飯を注文。
酒粕強めながら出汁の効いてる具だくさんの粕汁、そして味噌漬けの濃い味に白ご飯。
ほっ~と、またたく間に冷え切った体に沁み込みました。本当に、美味しい粕汁です。
この粕汁が、今朝の私には一番の、“からだに美味しい”食べ物となりました。

うおいちの関水さん、宮崎さん、利州の上田社長、上田副社長。
本日は、お忙しい中お世話になりました。ありがとうございます。
◆大阪市中央卸売市場
http://www.honjo-osaka.or.jp/ 
※今回の取材は特別に許可を得ております。見学などをご希望される方は、リンク先からお問い合わせをお願いいたします。
※現在コロナウイルス感染症の為、見学会などは中止されています。

◆株式会社うおいち
株式会社うおいち

◆利州株式会社
鮮魚・冷凍魚・塩干魚・活魚・淡水魚・マグロなどの仲卸 | 利州株式会社

◆みよし食堂
大阪市中央卸売市場綜合直売協同組合 マイドプラザ : みよし食堂
営業時間:AM4:00~PM2:00 ※お休みは卸売市場と同じです
今回ご紹介させて頂いた、みよし食堂さんの粕汁。
かつおと昆布のお出汁をベースに、あえてクセのある魚類を入れず、豚肉と具だくさんで、誰にでも食べやすく。
酒粕は、滑らかな口当たりになるように、こだわりの銘柄を使っているそうです。
牡蠣のみぞれ天ぷらや鯛の子、干しシイタケの炊いたん。
今の季節のおススメを教えてもらいました。
私が粕汁を頂いている時、丁度ひと仕事終えた常連さんが入って来ました。
座るなり、みよし食堂のお母さんが温かく今日の出来事を聞いていました。
卸売市場の人たちの、胃袋と心を満たしてくれる美味しい食堂です。

近隣で開催される
ワールドマスターズゲームズ
2021関西の競技

中村 まなみ
投稿者紹介

中村 まなみ

大阪下町育ち、京都在住の元リケジョです。
好きな事は、からだ動かす事、知らない町をぶらぶらする事。スポーツは、ハンドボールが好きです!