世界から剣豪が集まる【剣道居酒屋】の正体とは?!

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大阪市(大阪府)
世界から剣豪が集まる【剣道居酒屋】の正体とは?!

この記事は、2021年9月に行なった取材をもとに制作しています。マスクを外しての写真も一部撮影しておりますが、取材は原則、9月時点の大阪府下で推奨されていた新型コロナウイルス感染症対策(マスク着用など)を実施して行いました。

大阪駅から環状線に乗って7分。ディープな飲食店が立ち並ぶ街、京橋。
そんな京橋駅から徒歩5分の場所に、目的の場所はあった。

剣道居酒屋「第二道場」

何ともインパクトのある店名に惹かれて、剣道経験者を連れて行ってみた。袴姿の店員さんに、剣道場を思わせる和風の店内。宴会場となっている二階には防具が置かれ、メニューは剣豪を思わせる名前が付けられている。細部にまでトコトン剣道に拘った居酒屋だ。
でもなぜ剣道なのだろう?珍しいコンセプトの居酒屋には、オーナーの石塚さんの熱い思いが込められていた。

KENDO PROJECT

オーナーの石塚さんは、小学校三年の時に父親の影響で竹刀を握って以降、輝かしい戦歴を飾ってきた剣豪だ。高校では国体他全国大会で優勝、大学でも関東学生剣道大会で優勝を果たし、パナソニックに入社。入社後も都道府県大会で大阪代表として出場し優勝、全国実業団大会三位という実績を残した後、女子剣道部を創設。未経験の部員を率いて三年で全国大会準優勝に導いたと言う、素晴らしい経歴の持ち主である。
そんな石塚さんが身をもって感じたのは「剣道の社会的地位の低さ」だった。
剣道の価値をもっと高めたい。剣道をもっと普及させたい。

そんな思いから、2015年の独立と同時に始めた活動が「KENDO PROJECT」だった。
いったいどのような活動なのだろうか?
石塚さんにお話を伺うと、穏やかな語り口で静かに、だが熱く語ってくれた。
筆者 KENDO PROJECTとは一体どのような活動ですか?
石塚さん(以下、石塚) 剣道は、学校の体育の時間で習ったりすることもある国技であるにもかかわらず、社会人になるとやめて行く人が多い。プロがあるわけでもなく、剣道を続ける為の受け皿が存在しないのが現状です。
だけど実は剣道は、他の競技と違って継続によってどんどん上達していく生涯スポーツなのです。実際僕は、今だに親父に敵いません。
僕は剣道を生涯スポーツとして普及させるため、剣道自体の価値を高め、剣道家の社会的地位を高めたい。
剣道人口を増やしたいと思っています。
KENDO PROJECTはそのための活動を行っています。


筆者 具体的には?
石塚 一つは、剣道経験のない人に対する普及活動。
他の武道と合わせた子供向けのイベントをしたり、小学校へ出向いて剣道教室を開いたりしています。
もう一つは、セミナーの実施。
学生向けに講演会をしたり、指導を行ったりもしますが、就職支援も積極的に行っています。就職先でも剣道を続けてもらうためです。人との繋がりこそが剣道普及において重要な要素だと思っているからです。
又、映画等で剣道の演技指導をする場合もあります。
海外に行くこともありますが、感じるのは、海外の方が剣道を日本の文化として認識してくれているということです。武士道や侍と言ったものと同じように、日本文化の一つとして捉えてくれています。
反対に国内での認識の低さを感じてしまいます。もっと国内での社会的価値を上げていきたいですね。
最終的には、剣道が仕事になるような社会にしたいと思っています。
プロ選手と言うのではなく、文化活動としてでもいい。「株式会社剣道」のようなビジネスモデルを作っていきたいと思っています。


筆者 剣道の魅力とは?
石塚 僕自身剣道から学んだものが大きいと感じています。
礼儀、尊敬、社会性、文化性、忍耐力。そう言ったことは全て剣道で学びました。これらは社会に出た時に必要な要素です。剣道をすることで社会を生きていくために必要な事が身に付きます。
生涯スポーツであることもそうです。
心技体全てを鍛錬できるので、他の競技のように年齢関係なく続けていけます。
一番の魅力は、生涯スポーツであるが故に、年齢や性別、社会的身分を超えた交流が可能なことです。
学生と後期高齢者でも互角に戦え、交流することができる。このような競技は他にありません。

人が繋がる場所としての「第二道場」

人との繋がりを大切にする石塚さんにとって、剣道+居酒屋と言う珍しいコンセプトの店を開いたのには、大きく二つの目的があった。
一つは、剣道をする人たちのための交流の場として。
二つ目は、剣道に馴染みのない人が興味を持ってくれるためのきっかけとして。
居酒屋という人が心を開きやすい場所で、楽しい交流から新たな繋がりができたら。そう言う想いが込められていた。

剣道愛に溢れる居酒屋、第二道場。店内は遊び心に溢れている。
いや。本人はいたって真面目にやっているのだが、剣道経験者にも素人にとっても楽しい仕掛けでいっぱいだ。
スタッフは全員剣道着。メニューには将軍、武蔵、小次郎、剣豪などの文字が目立つ。壁には名札板もあり、師範には石塚さんの、部員にはスタッフの名前が書かれており、いかにも道場らしい。でもよく見ると、謹慎、破門の文字も・・・
「勤務中に居眠りをしたスタッフは謹慎にしたこともあります。破門は・・・酒を飲んで暴れた時ですかね。」
と、笑う石塚さん。
希望者には貸出の防具も置いてあると言うので、筆者も試しに身につけさせてもらった。
記念写真をパシャ!気分が上がる!

試合開始!

さて。お楽しみの食事の時間!美味しいものを目の前に一礼してから・・・いただきます!
今回頂いたのは、将軍コースをメインに予算に合わせてアレンジしてくれたもの。コースもメニューにあるだけでなく、予算や好みによって柔軟に対応してくれるのが嬉しい。
まずは前彩を一口。美味しい!
こう言ったコンセプト居酒屋は味まで拘りが行き届かないことも多いのだが、第二道場は違う!細部まで拘っている。礼を重んじる剣道の精神の表れだろうか。
ポテトサラダは卵の味がしっかりとした優しい味わい。おでんの大根は出汁の味が芯まで染み、煮魚はふっくらと。どれを食べても絶妙な美味さ!
鍋も絶品だ。豚は認定を受けた黒豚を使い、牛は薩摩牛。より美味しく食べる事が出来るように鍋は特注で作ったもの。
酒類も同じくこだわり尽している。わざわざ酒蔵まで行って入手困難な酒を仕入れ、おいしい飲み方を直接教わってきていると言うぐらいだから、他の居酒屋とは一味も二味も美味しくて当然だ。
品数は豊富だが、どのメニューも自信をもってお勧めできると断言する。
美味しいものの連続技に、小手、銅、面、突きと、すべて一本取られて完全に戦意喪失状態と言ったところか。表情筋は緩みまくり。会話が弾む。
剣道を嗜む者から全くの未経験者まで、楽しく交流できるように。
そんな石塚さんの意図は大当たりだ。美味しいものを目の前に、剣道に関係なく楽しい時間を過ごし、自然と剣道の話題も持ち上がる。
一緒に行った剣道経験者は、すっかり再び竹刀を振る気になっている。

思っていたより時間が経っていたので、そろそろ・・・と少しほろ酔いで席を立った。
次は誰と来ようかな。そんなことを考えながら会計を済ますと「ポン」と太鼓の音が響いた。
「お客様お帰りです!」
びっくり!
剣道の稽古の開始、終了の際には太鼓をたたく。らしい。その習慣に習ったお見送りだ。
「実は以前は、お客様の来店の時も太鼓をたたいて『神前に向かって、礼!』ってやってたんですけどね。一般のお客さんがビックリするから、それはやめました。」
と、笑う石塚さん。

いや、それ、ムッチャやって欲しい!
■剣道居酒屋 第二道場
〒534-0023 大阪市都島区都島南通2-4-18
06-6926-0634
定休日:月曜日
営業時間:17:00~(要問合せ)

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2021関西の競技

なかにし のぞみ
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なかにし のぞみ

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