What’s sports climbing?(スポーツクライミングって何だ?)〜ボルダリング編〜

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鳥取県
What’s sports climbing?(スポーツクライミングって何だ?)〜ボルダリング編〜
ゴトスポ 体験記ライター(自称)の橋本です。前回のBMX体験記に続き、今回取り上げるのはスポーツクライミングです。BMX同様スポーツクライミングも、まだメジャー競技とは言えない状況ではあると思いますが、そんな現状を打破するべく、施設もあり、トップクラスの選手も出てきている鳥取から、体験も交えて紹介していきます。

【スポーツクライミングの基本情報】
まず基本情報として、スポーツクライミングは2021年に延期された東京五輪から実施競技に追加された競技で、種目として「ボルダリング」「リード」「スピード」の3種目があります。それぞれに専用の壁があり、その壁を自らの手と足を使って登っていく競技となっていて、東京五輪では、この3種目の複合で実施される事になっています。ちなみに、2024年開催予定のパリ五輪でもスポーツクライミングは追加競技として実施される事が決まっていますが、東京五輪とは異なり、ボルダリング&リードの2種目複合とスピード単体の2つで行われる事になっています。

取材に行ったところはワールドクラスの施設だった!!

今回、体験及び取材をするために僕がやって来たのが、鳥取県倉吉市にある倉吉スポーツクライミングセンター(以下 倉吉SCセンター)です。ここは、倉吉体育文化会館の一部で、今回行った際、会館の正面には鳥取県出身のスポーツクライミング選手である高田知尭選手の横断幕が掲げられていました。(日本代表スポーツクライミング大会 TOP OF TOP 2020での優勝を祝ってのものでした。この大会には、東京五輪 スポーツクライミング男子代表に内定した、楢崎智亜選手と原田海選手も出場していたのですが、彼らを倒しての優勝だったのです!!)
高田選手には、あわよくば取材に参加していただけたらと思っていましたが、取材当日は県外にいらっしゃるとの事で実現はしませんでした。ただ、メールにていろいろと質問をさせてもらえたので、それについては最後にご紹介しようと思います。

倉吉SCセンターは、スポーツクライミング競技施設としてJOC(日本オリンピック委員会)認定競技別強化センターに認定されていますが、これは2019年9月時点で日本全国に3ヶ所しかなく、認定自体も倉吉SCセンターが国内第一号なのです。(残り2ヶ所は、岩手県盛岡市と愛媛県西条市にあります)こういった施設というのは、国体が開催されるから整備されるという事が多いようで、直近で国体が開催されない県にも関わらず、ボルダリング・リード・スピード3種目の壁が揃っているというのは、全国的に見ても珍しいとの事。

さらに、ボルダリングユース日本選手権を2015年から5年連続で開催したり、2018年11月には、日本では16年振りの実施となったアジア選手権が開かれたりと、国内外の重要な大会が開かれているのです。そして、そんな素晴らしい施設が、一般の方でも使用出来るのです。この取材時にもボルダリングをしに来ている方がいらっしゃいました。ただ、リードとスピードについては基本的な技術が無いと難しいので、初心者の方の利用は控えていただいているとの事でした。まずはボルダリングで登る技術を磨いてから、という事ですね。
<font size='2' color='blue'>倉吉SCセンターの正面(右がリード、左がスピードの壁)</font>
倉吉SCセンターの正面(右がリード、左がスピードの壁)
<font size='2' color='blue'>倉吉SCセンターのボルダリングの壁</font>
倉吉SCセンターのボルダリングの壁
<font size='2' color='blue'>倉吉体育文化会館に掲げられていた、高田選手の横断幕</font>
倉吉体育文化会館に掲げられていた、高田選手の横断幕
そんな倉吉SCセンターにて、専門職員である福田宗次郎さんにスポーツクライミングについて教えていただきました。
<font size='2' color='blue'>左:福田宗次郎さん</br>右:筆者</font>
左:福田宗次郎さん
右:筆者

Let’s start ボルダリング体験!

【ボルダリングについて】
ボルダリングは、高さ4~5mの壁に設置されたホールドと呼ばれる突起物を使って、設定された課題(コース)をスタートからゴールまで登っていく種目です。ホールドは形や大きさも様々で、持ちやすい物もあれば、指が数本しかかけられない、持ちにくい物もある為、どのホールドを使って登っていくかによって、難易度も変化します。ただ、全てのホールドを使って好きなように登っていいというわけではなく、ホールドの色によって難易度が変わるように設定されています。一般の施設では、いろんな難易度の課題が楽しめるように、たくさんホールドが設置されていますけど、大会では、その大会用の課題が用意される為、ホールドも必要な分しか設置されないという事になっています。
大会では、用意された課題を登り切れた完登数と、どれだけ少ない回数で登れたかというトライ数で、勝敗が決まります。

<font size='2' color='blue'>左:テニスシューズ</br>真ん中:クライミングシューズ </br>右:筆者の足</font>
左:テニスシューズ
真ん中:クライミングシューズ 
右:筆者の足

スポーツクライミングでは、足先までしっかりと力が入る事がかなり大事なので、普段履く靴よりもかなり小さい靴を使用します。少し足先を丸めて履く感じで、きついんですけど、痛くて我慢出来ないというほどではないです。靴が小さいので裸足で履くんですけど、福田さんから聞いた話だと、最近は普段の靴と同じように、靴下を履いてからクライミングシューズを履く事も増えてきているとの事でした。

いざ、久々のボルダリング!!

実は、ボルダリングは数年前にやっていた事があるので、初めてではなかったんですけど、久しぶりだったので、まずは初級レベルの課題から登り、「あぁ、こんな感じだったな」と以前やっていた時を思い出しました。以前やっていた時に専用の靴も購入していたので、先ほど写真で出した靴は私物です(もちろん、こちらの施設では靴もレンタル出来ますので、ご安心を)。
初級レベルについては、難なく完登出来たので、その様子の動画は割愛する事にします。そして、次に体験したのが、先程までとは壁の傾斜が変わり、そして難易度も上がった課題です。(壁が自分側に少し倒れています)。こちらは動画を見て下さい。
傾斜がある分、初級レベルと違って重力がより感じられるようになって、手を出していくのにも余裕がなくなってきてましたけど、なんとか登り切る事が出来ました。せっかくなので、一つ難易度を上げたものに挑戦しました。こちらも動画をどうぞ!
いやぁ、これはきつかったです。スタートの、両手両足でホールドをつかんでいる状態をキープするだけでも結構しんどくて、一つも進めずに終わってしまうのかと、本気で思ったほどでした。そんな無様な姿は見せるものかと、なんとかゴール手前まではいきましたが、腕(特に前腕)が限界で完登ならず、でした。

このあと、少し休憩を入れながら、あと2回この課題に挑戦しましたけど、腕の疲労もあって完登する事は出来ませんでした。この課題に挑戦している時は余裕なんて全くなくて、登る為には手を出さないといけないんだけど、手を離したら落ちそう、そんな葛藤をしながら登っていました。

数回ボルダリングをしただけで、前腕の筋肉がここまで疲労するとは思っていませんでした。数年前にやっていた時は、倉吉SCセンターより小規模の施設を10人以上で共有していて、僕1人が連続して登る事はなかったので、今回のように筋肉が疲労する事も無かったんでしょうね。普段、テニスなどで運動はしていますけど、競技が違えば使う筋肉もこれ程違うんだなと改めて感じました。

ここで、ホールドのつかみ方について、選手目線で福田さんに少し説明をしていただきましたので、動画をどうぞ!

スポーツクライミングの一種「ボルダリング」いかがだったでしょうか?

ボルダリングと言っても、壁の傾斜や選ぶ課題によって難易度は全くと言っていい程変わります。僕が完登出来なかった課題のように、傾斜のある課題をいきなり登るのは難しいと思いますけど、初級レベルの課題からやっていけば、あの課題でも登れるようになるはず。
冒頭でご紹介した、高田選手が参加するような大会でのボルダリングは、もっと凄い、というか素人目には「なんじゃこりゃ」というようなえげつない課題になっていたりします。
大会の様子を見る機会は、なかなか無いと思いますけど、今はYouTubeで見る事が出来たりするので、そこで探しても面白いと思いますよ!

高田選手に聞いちゃいました!!!

最後に、高田選手についてご本人にメールでお聞きした内容を、インタビュー形式で紹介したいと思います。

筆者:現在の所属を教えてください。
高田選手:公益財団法人 鳥取県スポーツ協会に籍を置かせていただいてます。
筆者:鳥取には、どれぐらいの頻度で帰って来られていますか?
高田選手:基本的に大会、強化練習会などで県外にいて、大会の状況などによって、鳥取県内にいる頻度は様々です。
筆者:鳥取での練習場所を教えて下さい。(倉吉SCセンター以外で)
高田選手:母校の鳥取中央育英高校に、たまに行っています。
筆者:高田選手にとって、倉吉とはどんな場所ですか?
高田選手:帰ってくると落ち着けるような、過ごしやすい場所です。
筆者:スポーツクライミングの魅力ってどんな所でしょうか?
高田選手:達成感を感じられるタイミングが多い事と、競技を通じて考えた事が実生活に通ずる部分が多い事です。
筆者:今の1番大きな目標は何ですか?
高田選手:目標はずっと変わらず、強いクライマーになる事です。
筆者:パリオリンピックへの思いは、どんな感じでしょうか?
高田選手:しっかり準備して、代表目指して頑張ろうと思ってます。
筆者:直近で参加される予定の大会はありますか?
高田選手:ボルダリングジャパンカップです。
筆者:スポーツクライミングの設備を使用して行う練習以外の練習もされますか?(例えば、有酸素運動や筋トレなど)
高田選手:たまにやりますが、基本的に登る事をメインとしています。
筆者:スポーツクライミング以外で好きなスポーツは何ですか?
高田選手:特にありません。基本的に運動音痴です。
高田選手とは以上のようなやり取りをして、基本的には高田選手がメールで書かれた表現をそのまま使わせてもらいました。その方が、少しでも高田選手の雰囲気が伝わるだろうと思ったからです。僕自身、高田選手とはまだお会いした事はありませんけど、今回のやり取りで、スポーツクライミングがほんとに好きなんだなと感じました。機会があれば直接お会いして、いろいろと聞かせてもらいたいなと思っています。

以上で、「ボルダリング」編を終わります。
次回は、「リード・スピード」編です。よろしくお願いします。
■倉吉スポーツクライミングセンター
住所:〒682-0023 鳥取県倉吉市山根529-2

近隣で開催される
ワールドマスターズゲームズ
2021関西の競技

橋本 真也
投稿者紹介

橋本 真也

会社員 兼 アマチュアテニスプレーヤー(テニス歴:5年半)
スポーツは見るのもするのも大好きで、学生時代は野球を、現在はテニスにハマっています。
大好きなプロテニスプレーヤーは、ロジャー・フェデラー。(もちろん錦織 圭選手も好きですよ)
ワールドマスターズゲームズでは、テニス競技に参加予定で40歳以上の部で優勝を目指してます!